安藝動物病院

群馬県高崎市にある地域密着の動物病院|安藝動物病院(あきどうぶつびょういん)

犬の子宮蓄膿症について

こんにちは高崎市 安藝動物病院です。

今日はわんちゃんの子宮蓄膿症についてお話しします。

 

子宮蓄膿症とは

子宮蓄膿症とは「子宮内膜の嚢胞性増殖と細菌感染による炎症が起こり、子宮内に膿性液体貯留した状態」のことです。

 

「子宮の内膜が発情などに伴い、傷ついたところに細菌感染症が起こり、膿が溜まっている状態」ということもできます。

 

子宮が解放している場合を開放性、閉じている場合を閉鎖性と言います。

 

中高齢の避妊手術をしていない雌犬に発生します。

 

平均発生年齢は8-10歳とされており、発情出血から1-2ヶ月後に発生することが多いとされています。

 

症状

多飲多尿、元気消失、嘔吐、食欲不振、陰部からの滲出物などが見られます。

 

また子宮蓄膿症が閉鎖性の場合は滲出物が見られない場合もあります。

 

重度に細菌感染症が進行した場合は全身性炎症症候群(SIRS)、播種性血管内凝固(DIC)を引き起こすことがあります.

 

検査

血液検査

血球検査、生化学検査、血液凝固検査などを行い全身状態のチェックを行います。

重症の場合、高窒素血症を引き起こすことがあり注意が必要です。

 

腹部エックス線検査

腫大した子宮を描出します。腹水の有無を確認します。

 

腹部超音波検査

腫大した子宮を描出します。腹水の有無を確認します。

 

 

治療法

外科療法

子宮卵巣摘出術が推奨されています。原疾患を速やかに取り除く方法で、再発の心配がありません。

 

状態によっては麻酔リスク、周術期リスクが高くなるため、慎重な全身管理が求められます。

 

内科療法

抗生剤による内科治療、プロスタグランジンF2α製剤、プロジェステロン受容体拮抗薬の使用が報告されています。

 

麻酔リスクが高い場合、手術を希望されない場合は相談の上、使用することがあります。

外科手術が可能な状態になったら手術を行うことをおすすめします。

 

 

 

 

 


 

子宮蓄膿症は避妊手術により予防可能な病気です。

元気で若いうちに避妊手術を行うことをおすすめします。