2020/10/23
こんにちは安藝動物病院 獣医師村端です。
当院では腹腔鏡による手術が可能です。
腹腔鏡手術とは
腹腔鏡手術とはお腹の中にカメラと外科器具を挿入しモニターに映し出された画像を見ながら行う手術法です。
手術による傷が小さく、痛みが少ない手術法です。
ヒト医療では一般的な手術法ですが、動物病院では導入している施設が少なく比較的新しい手術法です。
実施可能な手術は避妊手術(卵巣摘出術、子宮卵巣摘出術)、潜在精巣摘出術、生検手術(肝臓、腸、膵臓)、膀胱結石摘出術です。
その他の手術についても適応を見極めた上で可能なものもあります。
ご相談ください。
腹腔鏡手術の利点
切開創が小さく、痛みが少ない
胃腸の回復機能が早い
癒着が少ない
拡大された鮮明な視野で繊細な手術操作が可能
入院期間が短縮できる
腹腔鏡手術の欠点
手の感覚が伝わりにくく、難易度が上がる
視野に限界がある
手術時間が長くなることがある
心肺機能に問題がある患者さんでは注意が必要
手術費用がやや高額
避妊手術(子宮卵巣摘出術)
従来の避妊手術は腎臓近くにある左右卵巣、下腹部に位置する子宮を摘出するためにお腹を大きく切開する必要がありました。また小さな術創で行うためには卵巣につながる靭帯を強く牽引、切断する必要があり、痛みの原因となっていました。腹腔鏡手術では強く牽引する必要がありません。
確実に卵巣を画面で見ながら切除するため卵巣取り残しの危険性もありません。
また、腹腔鏡手術を行うことで5mm、5mm、5mmの術創で手術が可能になります。
血管の結紮には超音波メスを使用するため出血もありません。
小さな傷で痛みも少なく術後も元気いっぱいです。
肝生検
従来は上腹部を大きく切開し、肝生検を行っていました。
腹腔鏡手術では5mm、5mm、5mmの術創で手術が可能になります。
拡大された視野で臓器を観察することも可能です。胆汁培養採取も同時に実施できます。
避妊手術をお考えの方は一度ご相談ください。
避妊手術は一生に一回の手術です。
痛みの少ない確実な手術を受けさせてあげてはいかがでしょうか。