2020/04/18
下顎部分が腫れてきたののことで来院されました。
触診をすると下顎骨部分が固く腫れていることがわかります。
レントゲン検査では臼歯の根尖の伸展とともに周囲組織の石灰化が認められます。骨融解像も認められます。
幸い、摂食障害はなく、食欲も問題ないとのことですが、根尖膿瘍が強く疑われます。
ウサギの顔面腫脹の多くの原因は歯牙疾患を基礎疾患とする根尖膿瘍であることが多いです。
齲歯(むし歯)や不正咬合を原因とする歯槽や根尖周囲の感染により、歯根膿瘍となり二次的な感染病巣の波及により顔面の膿瘍が形成されます。
上顎で根尖膿瘍が起きた場合、眼球突出を認めることもあります。
治療法は重症度によりますが、抗菌薬、鎮痛薬、外科的な膿瘍の摘出です。
今回のこの子は、骨破壊も認められ重度でしたので、内科治療に加え、外科的治療として膿瘍の切開、排膿、洗浄を行うこととしました。
(以下、手術写真が出てきます。)
切開排膿後
膿瘍壁をできるだけ切除し、開放創にしておきます。
手術後の食欲も変化なく、良好に維持できているとのことでした。
定期的な洗浄、内科治療を継続して行っていく予定です。
当院はウサギ、フェレット、ハムスター、モルモット、ハリネズミなどエキゾチックアニマルの診察、手術も行っております。
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