2020/04/10
こんにちは安藝動物病院です。
今回はひも状異物についてご紹介します。
ひも状異物とは読んで字のごとく、
ひも状の異物が腸に詰まってしまう病気です。
若いワンちゃん、ねこちゃんに多く発生します。
なんども吐く、食欲がないといった症状が出てきます。
ひもが腸をアコーディオンのように手繰り寄せることで、
腸が傷つくため非常に危険な病気です。
診断は超音波検査でできることが多く、
判断困難な場合は造影レントゲン検査を行うこともあります。
症例
若齢の猫ちゃん
昨晩からなんども吐いており、食欲がないとのことでした。
触診検査で腹部圧痛が認められ、レントゲン検査で腸が塊状に集まっており、
超音波検査で特徴的な線状構造物が認められました。
レントゲン画像です。
腸が塊状になっています。
緊急手術を行い、異物の除去を行うこととしました。
以降、手術の写真が出てきます。
腸がひも状異物よってアコーディオン状になっています。
また写真では分かりにくいですが、内出血が認められました。
幸い壊死や穿孔は起こっていません。
腸を何箇所か切開し、異物を取り除きます。
強く引っ張ってしまうと腸が切れてしまうので慎重に取り除きます。
合計3箇所腸切開を行い、異物を除去しました。
かなりの長さのひも状異物が除去できました。
早期診断、治療ができたため術後回復もよく、元気に退院してくれました。