2020/04/10
こんにちは安藝動物病院です。
今日は子宮蓄膿症という病気についてお話します。
わんちゃんを飼っている方なら耳にしたことがあるかもしれません。
この病気は子宮に細菌感染が起こり、膿が溜まってしまう病気です。
以降、手術の写真が出てきます。
避妊手術を受けていない中〜高齢のメスのわんちゃんに認められます。
症状は多尿、元気食欲の低下、嘔吐、陰部からの排膿などが見られます。
治療法は外科的に卵巣子宮を摘出することです。
症例:10歳齢 メス オールドイングリッシュシープドック
主訴:元気食欲の低下
検査:超音波検査にて子宮内に液体貯留が認められた
血液検査にて白血球上昇が認められた
診断:子宮蓄膿症を疑う
大型犬で高齢ということもあり、麻酔リスクを飼い主さまは非常に心配されておりました。
術前検査をしっかりと行いリスクを適切に評価し、ご相談の上、手術を行いました。
治療:外科的切除(子宮卵巣摘出術)
腫大した子宮 子宮蓄膿症
子宮内には多量に膿が貯留し、平滑筋種という腫瘤も形成していました。
麻酔・手術は問題なく終了しました。
現在は手術により症状は改善し、元気いっぱいに生活してくれています。
報告によると10歳齢のメスのわんちゃんの23-24%が子宮蓄膿症に罹っているとされています。
早期の避妊手術により子宮蓄膿症のリスクはゼロにすることが可能です。
また乳腺腫瘍のリスクも下げることができます。
子供を産ませる予定のない方は、避妊手術をされることを考えられてみてはいかがでしょうか。
ご相談、ご質問は当院スタッフまで。