おしりの横は膨らんでいないですか？

 

こんにちは安藝動物病院　村端です。

おしりの横が膨らんでウンチを出しにくそうにしたり、しぶっていたり、下痢になってりしていませんか？

それは会陰ヘルニアという病気かもしれません。

 

以降、手術の写真などが出てきます。

 

 

 

【会陰ヘルニア】

会陰ヘルニアという病気はお尻周りの会陰部の筋肉が薄くなってしまう病気です。未去勢の男の子に多い病気です。

筋肉が薄くなることで直腸が蛇行し、しぶりが出てきます。

重症化すると前立腺や膀胱が出てきて、おしっこが出なくなることもあります。

去勢手術をすることで予防ができるとされており、原因は男性ホルモンが関与しているとされていますが正確にはわかっていません。

治療法としては手術でヘルニア孔、つまり穴を塞ぐことです。自身の筋肉を利用したり、人工材料を使用したりします。また同時に去勢手術も行います。

 

 

手術前の様子です。お尻の両側が膨らんでいるのがわかります。

 

 

 

直腸検査をしてみると左右の筋肉が薄くなって直腸が蛇行しています。

 

ヘルニア嚢の中には脂肪が入っていました。

 

 

 

自身の筋肉を利用してヘルニア孔の整復を行いました。（外肛門括約筋、仙結節靭帯、尾骨筋、内閉鎖筋を利用）

 

 

 

少し肛門が開いていますが、抜糸の時には正常な肛門に戻ります。

抜糸時、正常でしぶりもありませんでした。

 

会陰ヘルニアは内科治療で完治することはありません。

早期の外科治療がわんちゃんの負担も少なく、合併症や再発も少ないです。

 

当院は軟部外科手術、腫瘍外科手術を得意としております。

他院で困難だと判断された手術も可能な限り対応します。

 

もし気になる症状がありましたらご相談ください。