2020/11/07
こんにちは高崎市 安藝動物病院です。
当院では腹腔鏡手術による肝生検手術が可能です。
腹腔鏡による肝生検手術が可能です。
健康診断の血液検査で「肝臓の値が高い」「胆嚢の値が高い」と言われたことがありませんか?
その場合、肝臓が原因で肝酵素上昇が起きている場合もありますし、肝臓、胆嚢以外から肝酵素が二次的に上昇する場合もあるので全身的な血液検査が必要です。
その上で肝臓が原因で肝酵素上昇起きている場合は肝臓の精査が必要になってきます。
精査の方法としては
①画像検査(レントゲン検査、超音波検査、CT検査)
②細胞診検査
③組織生検検査
があります。
①の画像検査は侵襲性が低く、麻酔や鎮静が必要ないことが多いです。体に対する負担も少ないです。
(※CT検査は麻酔が必要です)
②の細胞診検査は細い針を肝臓にさして細胞を採取し、検査します。
鎮静が必要なこともありますが、血液凝固系検査に問題ない場合は多くの場合安全に行うことができます。
有用な情報が得られますが、組織診断をしなければわからない場合もあります。
③の組織生検検査は検査の中で有用な情報が得ることができる検査です。しかし、麻酔が必要で通常は開腹手術が必要です。
そのため、検査に対するハードルが高いという面があります。飼い主様と相談のうえ、組織検査を行わずに予測しながら治療を行うこともありました。
しかし、今回、当院で導入した腹腔鏡手術を用いることで患者さんの負担が少ない手術を行うことが可能になりました。
このネコちゃんの患者さんは数ヶ月前から肝酵素上昇があり、基準値の3~5倍の高値を示していました。
画像検査では問題がありません。
食事療法や内科療法を行い、ある程度下がりましたが、飼い主さんと相談の上、しっかりと診断をつけるため肝生検を腹腔鏡手術で行うことにしました。
腹腔鏡手術の様子です。
カメラを見ながら肝臓や腹腔内臓器の観察を行い、生検を行いました。
術創は5mmの傷が2つです。開腹手術は大きく切開する必要がありますがかなり小さな術創で手術が可能でした。
(手術創は中央と右下の2箇所です。)
この子は手術後3時間でご飯を食べることが可能でした。カラーも必要ありません。
負担が少ない手術でよかったね。きのこちゃん!!
今後は病理検査の結果をもとに治療方針を決定していく予定です。
当院では動物に優しい手術を行っています。
詳しいお話を希望の方はお問い合わせください。
実際の腹腔鏡肝生検の動画のリンクを貼り付けています。(2020.12.4)
実際の手術動画です。興味のある方は気をつけてご覧ください。