安藝動物病院

群馬県高崎市にある地域密着の動物病院|安藝動物病院(あきどうぶつびょういん)

2017.7.13 過去ブログ 【症例紹介 孤立性の消化管腫瘤を形成した高悪性度リンパ腫】

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こんにちは安藝動物病院です。

 

日に日に暑くなってきました。

日中の地面はかなり熱くなっています。

お散歩される方は朝の涼しい時間帯か、夕方をオススメします。

 

 

 

 

 

 

 

 

【症例紹介】孤立性の消化管腫瘤を形成した高悪性度リンパ腫の1例

去勢オス、10歳令

2週間前から継続する下痢を主訴に近医を受診。

対症療法を行われ、一時は症状が良化するも、元気・食欲低下が認められた。

近医にて腹部超音波検査が行われ、リンパ節の腫大を指摘された。

セカンドオピニオンで当院を受診。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以降、手術の写真などが出てきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院で実施した血液検査で顕著な低アルブミン血症が認められ、

超音波検査で腸管5層構造の消失。

消化管内容物の停滞が認められました。

 

また空腸リンパ節の腫大が認められました。

 

犬 空腸リンパ節 超音波画像

消化管5層構造の消失

犬 空腸リンパ腫 超音波画像

 

 

 

 

低アルブミン血症の是正を行い、

治療と生検を目的に消化管腫瘤の切除を行いました。

 

 

 

 

空腸腫瘤

大網と一部癒着した空腸腫瘤

 

 

 

空腸リンパ節 腫脹

空腸リンパ節の顕著な腫大も認められます。

 

 

 

 

 

空腸腫瘤の切除を行い、ギャンビー変法で端端吻合を実施

空腸リンパ節切除は困難だったため、針生検を実施

空腸腫瘤切除後 

空腸腫瘤切除後

 

 

 

 

 

切除した腫瘤の割面

粘膜面に潰瘍を認める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

病理組織学的検査は高悪性度リンパ腫でした。

腸管腫瘍は完全切除、

空腸リンパ節に異型性のあるリンパ球が認められました。

 

 

 

 

 

この子は切除後、元気・食欲の回復が認められ、

便の状態も良化しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の調べた範囲では、

孤立性に腫瘤を形成するリンパ腫に対して外科的切除後、

化学療法を行うことに統一された見解はないようです。

 

 

 

 

 

 

しかし、空腸リンパ節に転移が認められたことから、

今後の治療については、飼い主様と相談し行っていきます。

 

 

 

腫瘤による完全閉塞前に治療を実施することができました。

早期診断・早期治療の必要性を感じさせられました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院はセカンドオピニオンも行っております。

「この治療法で合っているのか、他の獣医師の意見も聞いてみたい」

「手術をするか迷っている」

という方はご相談ください。

 

 

また、その際に検査データなどをお持ちいただけると

より具体的な相談が可能です。

 

 

 

その子にあった治療法を提案させていただきます。