2020/04/10
こんにちは安藝動物病院 村端です。
膝蓋骨内方脱臼(膝のお皿の骨の脱臼)についてご紹介します。
膝蓋骨内方脱臼とは滑車溝(大腿骨の溝)からの膝蓋骨の変位のことをいいます。
症状として急に後ろ足を上げて痛がったり、気がつくとケンケンしている。といったものが認められます。
重症になるとうちの子は腰を落としながらずっと歩いている。とおっしゃる飼い主様もいらっしゃいます。
内方脱臼は主に小型犬に発生します。
病因は不明な点が多く、解明されていません。
手術の明確なガイドラインはありませんので、飼い主様と担当医との相談の上、手術を行うかを決めていきます。
手術の方法としていくつかの方法がありますが、当院では以下の4つの手術の組み合わせで手術を行っています。
1.内側支帯の解放術
2.滑車溝造溝術
3.脛骨粗面転移術
4.外側支帯の重層縫合術
今回のワンちゃんは生後半年ほどから両側膝蓋骨の脱臼に気付かれ、
大学病院での手術を勧められたとのことです。
飼い主様は大学まで通院することが難しいとのことで、様子を見ておられました。
飼い主様の引っ越し先の病院である当院で、相談されました。
症例
チワワ 去勢オス 2歳令
両側膝蓋骨脱臼を主訴に来院
左右ともに膝蓋骨内方脱臼グレード4
飼い主様と相談の上、先に重度な左膝の手術を行い、
期間をおいて右の手術を行うこととしました。
以降、手術の写真などが出てきます。
【左:術前、右:術後】
膝蓋骨の内方脱臼が整復されています
【左:術前、右:術後】
横から見たが画像です
術後、一定期間安静にしてもらい、その後リハビリを行いました。
一週間後には左の足を使って元気に走り回ってくれています。
今後は右膝蓋骨脱臼の整復を行う予定です。