2020/04/10
こんにちは安藝動物病院 獣医師 村端です。
明日は2月14日。そうバレンテインデーですね!!
ドキドキしながら好きな人にチョコを渡したり、もらったりするのでしょうか。
ワクワクしながら靴箱を開けたり、意味もなく教室に残ったりするのでしょうか。
(小中学校の体験談)
私はそんなドキドキ、ワクワクはここ5年くらい感じたことはないなぁと思いながらおじさんになったなぁと感じています(涙)
そんなドキドキではなく、最近感じるドキドキはチョコレート中毒の患者さんこないで欲しいなぁという獣医師としてのドキドキです。
そう、今日のお話は
【チョコレート中毒について】です。
ご存知の方も多いと思いますがワンちゃんネコちゃんはチョコレートを食べることで中毒を起こします。
一般的にチョコレート中毒と言われたり、カカオ中毒と言われたりするのでご存知の方も多いかと思います。
チョコレートに含まれるメチルキサンチン(このメチルキサンチンにカフェイン、テオブロミン、テオフィリンが含まれる)という物質により中毒を起こします。
症状は摂取後2〜4時間で現れます。
おちつきのなさ、多飲、尿失禁、興奮、高体温、頻脈が起こり、
症状が進行すると不整脈、精神不安定、興奮、震え、痙攣などを起こし、
重症例では昏睡状態、心停止、呼吸不全を起こしてしまいます。
中毒量は
軽度な臨床症状が 20mg/kg
重度な臨床症状が 40-50mg/kg
痙攣が 60mg/kg 摂取すると起こるとされています。
中毒物質であるテオブロミンが一般的なチョコレートやカカオパウダーには14mg/g、
ミルクチョコレートで2-5mg/g 含まれています。
(商品によってばらつきはある)
例えば一般的な板チョコは50gほどですので中型犬(10kg位)が板チョコを摂取すると中毒量(70mg/kg)に達してしまいます。
個体差もありますのでもっと少ない量で中毒を起こす子もいます。
チョコレート中のテオブロミンの含有量は商品によって異なりますが、
最近はカカオ70%含有などビターなチョコレートもありますのでかなり注意が必要です。
恋するあの人へのチョコレートをうっかり愛するワンちゃんが食べていた!!
ワンちゃん、ネコちゃんがドキドキ(頻脈)している!!
ワンワン!!ニャアニャア!!
なんてことがないようにしたいですね。
また万が一食べてしまった場合はなるべく早く受診されてください。
その際にチョコレートの包み紙などを持ってきていただけると含有量を調べたりするのに役に立ちます。
適切な処置を2〜4時間以内に行うことができれば予後良好とされています。
早期の適切な処置が有効です。
私も今回改めて調べることでチョコレート中毒がいかに恐ろしいものかを再認識しました。
少量のチョコレートを摂取した場合でもなるべく早く動物病院を受診されることをお勧めします。
またチョコレート以外にも中毒を起こす食べ物があります。
玉ねぎ、ぶどう、マカダミアナッツ、キシリトールなども注意が必要です。
機会があればまたご紹介しようと思います。
注:中毒量は論文、成書で調べておりますがあくまでも参考とされてください。
その子に応じた治療が必要になることがありますので必ず動物病院を受診されることをおすすめします。
参考資料
Household Food Items Toxic to Dogs and Cats.
犬と猫の中毒ハンドブック