病気のおはなし

いぬの病気

いぬの病気、予防について

フィラリア症(イヌ糸状虫症)

フィラリア症は蚊が媒介する感染症の1つです。蚊の刺されることでフィラリアの幼虫が体内に入り、成虫が心臓に寄生することで、咳を引き起こしたり、腹水がたまったりします。重症になると、命にかかわる病気です。現在はお薬による予防が可能となっています。毎年5月から12月までしっかり予防しましょう。

混合ワクチン接種

子犬は、母親の初乳を飲むことで、病原体から身を守る免疫(移行抗体)を手に入れます。移行抗体は徐々に減っていきますが、まだ体に残っている状態でワクチンを接種してもワクチンの効果が期待できません。そのため、移行抗体が切れる時期を見計らってワクチンを接種することが大切です。しかし、移行抗体が切れる時期は、子犬によって様々です。そのため、「最も早く抗体が切れてしまうケース」を想定して、1回目のワクチン接種をします。それが、最短で生後42日目といわれています。
以降は年1回、混合ワクチンを追加接種していきます。
また、子犬は混合ワクチンのみの接種ではパルボウイルス感染症の免疫が不十分なことがあるため、当院では最後の混合ワクチン接種1か月後に、パルボウイルスワクチンのみの追加接種をおすすめしています。

狂犬病

狂犬病予防注射
生後91日以上の犬は、「犬の登録」と「年1回の狂犬病予防接種」が狂犬病予防法により義務付けられています。

生後91日以上 1回目 → 2回目から 毎年春に予防接種

日本は、世界で数少ない狂犬病清浄国です。しかし、狂犬病は世界のほとんどの地域で依然として発生しており、日本は常に侵入の危険にさらされています。
以前は、日本国内でも多くの犬と人が狂犬病に感染し、死亡していました。狂犬病予防法が施行され、狂犬病予防注射の積み重ねがあったからこそ、この恐ろしい病気の蔓延が防止されています。万が一狂犬病が国内で発生したとき、素早く蔓延の防止を行うためには、皆様の愛犬の狂犬病予防が非常に重要です。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁とは、心臓の左心室と左心房の間で血液の逆流を防いでいる弁で、とても重要な役目があります。この弁が障害されることで、心臓がうまく血液を送り出せなくなります。この病気は犬の心臓病の中で最も多く、特に中高齢での発生が多くなります。 代表的な症状は、運動を嫌がる、咳、呼吸困難などです。特に冬に悪化することが多いです。
早期発見、早期治療で進行をおさえることが重要です。

甲状腺機能低下症

犬の内分泌(ホルモン)の病気で最もよく見られ、多くの高齢犬がこの病気になります。甲状腺ホルモンは、心臓、胃腸、皮膚など、体の様々の部分の代謝を調節しています。この病気になると、体の代謝が落ちるので、脱毛や心臓・腎臓の機能の低下が見られたり、寒さに弱くなったり、元気がなくなったりします。「高齢になったから仕方がないのかな」と飼い主様が異常を見逃してしまうことも多い病気ですが、重症になると命を落とすこともあります。
治療により、皮膚や毛質が改善し、食欲や元気が出て、多くの子が若々しくなります。当院では、シニアの子は健康診断のときに甲状腺ホルモンの測定をおすすめしています。早期発見・早期治療で、元気なお年寄りを目指しましょう。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症とは子宮の中に膿が溜まってしまい、病気の進行とともに細菌の毒素が全身に回ってしまう病気です。
中高齢の未避妊の女の子に多く発生します。
元気食欲の低下、嘔吐、陰部からおりものが排出されるなどの症状が認められます。最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。
治療方法の第一選択は子宮卵巣の摘出手術となります。この病気は健康な時に避妊手術をすることで予防することができます。

精巣腫瘍

精巣腫瘍とは精巣ががん化してしまう病気です。セルトリ細胞腫、ライディッヒ細胞腫などがあります。潜在精巣で、精巣が正常な位置に降りてきていない子はリスクが高くなります。また、中高齢で左右の精巣の大きさが違う場合は、腫瘍の可能性もありますので、早めに受診してください。

乳腺腫瘍

高齢の避妊手術を行っていない女の子は乳腺腫瘍になる可能性が高くなります。犬の場合、良性か悪性かの確率は半々と言われていますが、悪性の場合は肺などに転移することもあります。ご自宅でも定期的に、胸からお腹にかけてしこりができていないかチェックするようにしましょう。

体表にできたしこりについて

体表や体にできたしこりは良性のものと悪性のもの、いわゆる「がん」があります。細い針をさすこと(FNA)で良悪を判断できるものがあります。早期に診断を行い適切な治療法を選択することで、余命を延ばせる可能性や、QOLを良好に保てる可能性が高くなります。一度、ご相談ください。

ねこの病気

ねこの病気、予防について

混合ワクチン接種

生まれたばかりの子猫は、母親の初乳から免疫力(移行抗体)を手に入れます。
移行抗体は徐々に減っていくため、その前にワクチン接種により自分で免疫を付けることが大切です。しかし、移行抗体がまだ体に残っている状態でワクチンを接種しても、ワクチンの効果は期待できません。そのため、移行抗体が切れる時期を見計らってワクチン接種を行います。
移行抗体が体内からなくなるのには個体差があるため、「最も早く抗体が切れてしまうケース」を想定して、生後6週以降に1回目のワクチン接種をします。2回目以降は2~4週間ごとに接種を行い、「移行抗体が十分少なくなる」生後16週間以降に最後のワクチン接種を行います。
母親から十分な初乳をもらえなかった子猫は、免疫力が非常に弱いことが考えられます。状況によって早めのワクチン接種をすることもあります。

1歳以降は、免疫力を維持するため年1回の混合ワクチン接種をおすすめしています。

慢性腎臓病

中高齢の猫に特に多い病気で、死因の上位に入ります。尿の量が増えた、水を飲む量が増えた、食欲が落ちた、毛並みが悪くなったなどの症状がみられます。病気が進行すると、貧血、高血圧症、尿毒症による嘔吐などもみられるようになります。初期の症状では病気に気付かないことも多く、知らないうちに末期の腎臓病になってしまうこともあります。治る病気ではないため、早く治療を始めることにより進行を遅らせることが大切です。特に高齢の猫ちゃんは、気になる症状がなくても健康診断を受けることをおすすめしています。

口内炎

猫の口内炎は重度になると激痛を伴い、水を飲んだりごはんを食べたりすることさえできなくなることもあります。治療は、症状によって内科治療から口腔外科まで適切な方法を選択します。痛みで内服が難しい場合は、注射での治療も可能です。難治性の口内炎は、スケーリングにレーザー照射や抜歯を組み合わせることで、なるべく再発しないように治療を行います。口内炎の原因は様々ですが、病気の進行を遅らせ、慢性化の予防をするには、早期に治療を行うことが重要です。口臭が気になる、歯肉が赤いなどの症状がある場合は、早めにご相談ください。

膀胱炎

細菌感染、結石、ストレス、特発性(原因がわからないとされるもの)など、様々な原因で起きます。頻尿、血尿などがみられます。尿検査とレントゲン検査などの画像検査を組み合わせて診断します。トイレに行く回数が増えた、尿の色が赤いなどの症状が見られたら、まずは尿検査をしましょう。検査結果により、抗生剤や下部尿路用の療法食などの治療を行います。

尿道閉塞

尿道が詰まり、おしっこができなくなる状態です。多くの場合、結石が詰まってしまうことで起こります。また、男の子のほうが、尿道が細いため、女の子よりも圧倒的に起こりやすいのが特徴です。何度もトイレに行くのに尿が出ていない、ポタポタと血尿が垂れている、などの症状がみられます。膀胱炎と似た症状のため、飼い主様がつい様子をみてしまうことがありますが、時間がたつと急性腎不全を起こし死に至る病気のため、注意が必要です。早急に、詰まった部分から結石を取り除き、尿毒症がある場合は腎臓の治療も行います。緊急の治療後も、再発を防ぐため結石の予防が必要になります。

ウイルス性疾患

【猫カゼ(猫ウイルス性呼吸器感染症、クラミジア感染症)】

くしゃみ、鼻水、咳、結膜炎、発熱、食欲低下などの症状がみられます。原因は、猫ヘルペスウイルス、猫カリシウイルス、クラミジアなどが多く、さらに細菌が二次感染することで、より症状を重篤にします。免疫が十分ではない子猫に特に多く、鼻水やよだれから伝染します。症状が重い場合は命にかかわることもあるため、早期に治療を開始することが大切です。また、この病気は多くの場合ワクチン接種で予防することができるため、ワクチン接種をしっかり行うことをおすすめします。

【猫エイズ】

猫エイズは猫免疫不全ウイルスの感染により発症します。感染している猫とケンカをしたり、感染している母猫から子猫にうつったりすることがあります。感染してすぐは発熱やリンパ節の腫脹などの症状がみられますが、その後多くの猫は「無症候性キャリア」という状態になります。無症候性キャリアの猫は重度の症状が出ないまま、寿命を迎えます。しかし、一部の猫は免疫不全の状態になり、日和見感染を起こして、口内炎、皮膚炎、貧血などの症状がみられるようになり、衰弱死していきます。
予防にはワクチンもありますが、「完全室内飼育で感染している猫と接触させないこと」が一番です。また、無症候性キャリアの猫も、他の感染症の予防や猫エイズを発症させないために、室内飼育でストレスのない生活をさせることが重要です。

【猫白血病】

猫白血病ウイルスに感染している猫とのケンカ・グルーミング・食器の共有、感染している母猫から子猫への母子感染などでうつる病気です。感染後、発熱や貧血などの症状がみられます。その後、回復する猫とウイルスが体の中に潜伏する猫に分かれます。潜伏期間のまま寿命を迎える猫もいますが、数年の潜伏期間の後に白血病やリンパ腫を発症し、日和見感染を起こしてなくなる猫もいます。
ワクチンで予防はできますが100%ではないため、完全室内飼育により感染している猫と接触させないことが一番の予防です。

乳腺腫瘍

猫の乳腺にできるしこりは、9割が悪性のがんといわれています。猫の乳がんは、手術をしても再発したり、肺など他の臓器に転移したりすることが多く、予後の悪い病気といえます。
初めての発情前に避妊手術をすることで、将来乳がんになる確率を低くすることができます。乳がんの予防のために避妊手術をする場合は、発情が来る前に手術することをおすすめしています。

糖尿病

尿の量が増え、水をよく飲むようになった、たくさん食べているのに太らないなどの症状がみられます。肝臓病、腎臓病、膀胱炎などを併発することもあります。重度の糖尿病になると、神経に異常が出たり、嘔吐・下痢・意識混濁などを起こしたりする「ケトアシドーシス」という状態になることもあり、緊急治療が必要になります。
治療は、インスリン注射で血糖値をコントロールすることが基本となります。しかし、膵炎や肥満などが原因の場合は、治療により状態が改善するとインスリンの治療が必要でなくなることもあります。糖尿病の治療は、定期的にインスリンの量が現在の体の状態にあっているのか検査をしながら行う必要があります。

心筋症

猫で特に多いのは心臓の筋肉が厚くなっていく「肥大型心筋症」です。病気の初期には、あまり症状が出ないため、気付かないうちに進行してしまうことが多い病気です。病気が進行すると、食欲低下、運動を嫌がる、咳、呼吸困難などの症状がみられます。また、心筋症は血栓をつくることがあり、血栓塞栓症により突然後ろ足が麻痺してしまい、初めて病気に気付くということもあります。遺伝や、栄養素の一つである「タウリン」が足りないことで発症するといわれています。
完治する病気ではないため、辛い症状がなるべく出ないように緩和する治療や、血栓の予防のための治療を行います。

エキゾチックアニマルの病気

うさぎの病気

去勢手術、避妊手術について

去勢手術を行うことで尿のマーキング行動、オーナーに対する攻撃的な行為の予防になります。また「子孫を残す」という本能にたいするストレスの軽減にもなります。避妊手術を行うことで犬、猫と同様に子宮、卵巣、乳腺の病気を予防することができます。

不正咬合

うさぎの歯は切歯、臼歯ともに生涯伸び続ける常生歯です。本来であれば、牧草のような繊維質を多く含む食べ物を食べることで歯を磨耗させています。
しかし、ペレットなど食物繊維の不足した食餌を与えられることで歯が伸びてしまい不正咬合が発生します。症状としては食欲不振、流涎、体重減少などです。
当院では治療として過剰に伸びた歯を切削しています。全身麻酔が必要となる場合もあります。

膿瘍

不正咬合に関連して起こることがあります。治療としては抗菌薬の投与を行い、膿瘍の内容物を除去し、洗浄を行う必要があります。

食滞

消化管運動の低下により食欲廃絶、元気消失などが認められます。
消化管運動改善薬の投与や輸液療法、疼痛管理が必要となります。

腎機能障害

腎臓の機能が低下してしまい、体内の有毒な物質を排出できなくなってしまう病気です。
治療法として点滴をする必要があります。

フェレットの病気

副腎疾患について

フェレットは副腎疾患の発生率が高いです。中〜高齢によく発生します。
イヌのクッシング症候群とは異なりコルチゾールではなく、数種類の性ホルモン値が上昇してさまざまな臨床症状を呈します。主な症状としては脱毛、搔痒、オスの排尿障害、メスの陰部腫大などです。
早期の性腺切除が発生要因の1つだと言われています。治療法として内科的なホルモン剤の注射。外科的な副腎の切除があります。根治的な治療としては外科的切除が必要となります。

インスリノーマ

副腎疾患と並んで中〜高齢のフェレットでしばしば認められる疾患です。
膵臓にインスリノーマという腫瘍ができることで起きる病気です。
症状として活動性の低下や嗜眠傾向などが認められます。治療法として内科的なコントロール、または外科的な切除の組み合わせで治療を行います。

リンパ腫

リンパ腫はインスリノーマ、副腎腫瘍に次いで3番目に発生率の高い腫瘍です。
さまざまな年齢で、さまざまな部位で発生がみられる腫瘍です。細胞診や病理組織学的検査により診断し、治療は化学療法(お薬)が主体となります。

ハリネズミの病気

疥癬

針が抜ける。フケが出るといった症状が出てきます。
疥癬という外部寄生虫により発症します。皮膚検査を行い、疥癬を確認することで診断します。
内服薬やスポット剤で治療を行います。

ふらつき病(wobbly hedgehog syndrome)

後肢麻痺から始まり四肢麻痺へと進行してしまう病気です。
病態・治療法は確立されていません。ステロイド、ビタミン剤などの対症療法を行っています。
また食事の補助を行うことで栄養状態を保ちます。

爬虫類の病気

卵塞

カメなどに起こる病気。
性成熟年齢に達するとたとえ飼育環境下にオスの存在がなくとも、メスが無精卵を持つことがあり、正常に産卵できずに体内に停滞してしまう状態を卵胞うっ滞といいます。