【症例紹介】孤立性の消化管腫瘤を形成した高悪性度リンパ腫

こんにちは安藝動物病院です。

日に日に暑くなってきました。

日中の地面はかなり熱くなっています。

お散歩される方は朝の涼しい時間帯か、夕方をオススメします。

【症例紹介】孤立性の消化管腫瘤を形成した高悪性度リンパ腫の1例

去勢オス、10歳令

2週間前から継続する下痢を主訴に近医を受診。

対症療法を行われ、一時は症状が良化するも、元気・食欲低下が認められた。

近医にて腹部超音波検査が行われ、リンパ節の腫大を指摘された。

セカンドオピニオンで当院を受診。

以降、手術の写真などが出てきます。

当院で実施した血液検査で顕著な低アルブミン血症が認められ、

超音波検査で腸管5層構造の消失。

消化管内容物の停滞が認められました。

また空腸リンパ節の腫大が認められました。

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消化管5層構造の消失

低アルブミン血症の是正を行い、

治療と生検を目的に消化管腫瘤の切除を行いました。

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大網と一部癒着した空腸腫瘤

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空腸リンパ節の顕著な腫大も認められます。

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空腸腫瘤の切除を行い、ギャンビー変法で端端吻合を実施

空腸リンパ節切除は困難だったため、針生検を実施

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切除した腫瘤の割面

粘膜面に潰瘍を認める

病理組織学的検査は高悪性度リンパ腫でした。

腸管腫瘍は完全切除、

空腸リンパ節に異型性のあるリンパ球が認められました。

この子は切除後、元気・食欲の回復が認められ、

便の状態も良化しました。

私の調べた範囲では、

孤立性に腫瘤を形成するリンパ腫に対して外科的切除後、

化学療法を行うことに統一された見解はないようです。

しかし、空腸リンパ節に転移が認められたことから、

今後の治療については、飼い主様と相談し行っていきます。

腫瘤による完全閉塞前に治療を実施することができました。

早期診断・早期治療の必要性を感じさせられました。

当院はセカンドオピニオンも行っております。

「この治療法で合っているのか、他の獣医師の意見も聞いてみたい」

「手術をするか迷っている」

という方はご相談ください。

また、その際に検査データなどをお持ちいただけると

より具体的な相談が可能です。

その子にあった治療法を提案させていただきます。